ちょっとした知人のお父さんが亡くなったという話を聞きました。
彼は殆どお父さんと会ったことも良い思い出もなく
実父なのに知り合いのおじさんが死んだ、くらいにしか思えないらしいです。
人には様々な事情や過去があるので
詳しくは分かりません。
そして、母のお父さん(私の祖父)の話を思い出しました。
母のお母さん(私の祖母)は戦時中ということもあって
結婚しないまま彼女を生みました。
出産後、祖母は祖父の家庭へ訪ねに行ったのに
そこには祖父の姿もなく
家族からはあまりいい顔をされず追い返されたそうです。
時代が時代だし女一人では育てるのが困難ということで
祖母のお兄さん夫婦に育てられました。
(恐らく他にも理由はあったと思います)
その伯父夫婦からは、かなり酷い扱いをされながら育てられたようです。
今なら虐待で訴えられちゃうよ!
ってレベルです。
結構ビビります。
そして継母の口からたまに出る台詞なんかで
彼女自身も薄々、自分はこの夫婦の実の子ではないな
と感じていたそう。
実の母親は、育ての父親の妹なので
叔母さんという認識で幼いころから会っていたそうですが
18才位のとき真実を告白されたようです。
恐らくそのときから、彼女の中で
祖父への思慕の情が明確になりだしたのではないでしょうか。
もう20年前の話になります。
当時私はまだ小学生だったので
何故、そのタイミングで行動を起こしたのか分かりませんが
母は祖父を自力で探し出しました。
ずっとずっと「いつか会ってみたい」という気持ちはあったのでしょう。
父は、
今更あっても仕方が無いからやめなさい、と反対してました。
会ったことも無いけれど
人間って自分のルーツは気になるものなのでしょうね。
はじめにどこに問い合わせたのか分かりませんが
名前とほんの少しの情報しかなかったのに
だいぶ前に山梨に引っ越した、という情報を得ました。
そこから山梨の役所に問い合わせをし
事情を説明したら、
なんと一個人の私的な理由なのに
膨大な資料の中から祖父の情報を探し出してくれたのです。
そして、神奈川県に戻ってきているとのこと。
最終的にどこの役所で聞いたのか分かりませんが
住所と電話番号が判明しました。
今は個人情報だ何だとうるさい世の中なので
20年前だからできたことですよね。
いい世の中でした。
そして思い切って電話をしたそうです。
今にして思えば
大変な勇気だったと思います。
どうやって切り出したのか
「○○(祖母の名前)をご存知ですか?」
と尋ねたところ
「知りません…」
との返事。
事情を説明してみたところ
やっぱり「知りません」の一点張り。
結局祖父は最後まで他人ということを突き通したようですが
「元気なんですか?」とか
「今はどうしてるんですか?」とか
全く赤の他人だったらしてこないような質問や
言葉をかけてきてくれたので
母は「自分の父親だ」と思ったようです。
この話はここからが本番です。
あの電話事件から16年か17年か…
その間も、新聞のお悔やみ欄を気にして見ていたそうです。
やっぱり気になるんですね。
さて、子育て(って私ですが…)が終わった
母の趣味のひとつは気の合う仲間たちとの旅行です。
おばちゃんたちによくある話ですね。
毎月のようにいろんな所に行ってます。
数年前、伊豆だか箱根だかに旅行に行ったときの土産話はビッグニュースでした。
宴会場で仲間と楽しく夕食をとっていると
隣の老夫婦のご夫人がえらいテンションの高いお婆ちゃんで
話に入ってきたそうです。
そして話をしていくうちになんだか引っかかることが多くなってくる!
これは、もしや…と母は直感したそう。
そのお婆ちゃんが席を立った隙に
お爺ちゃんにいくつか質問をしてみたらドンピシャだった!
名前とかストレートなことは聞かなかったそうなのですが
確実に実のお父さん!
65を過ぎてまさかこんなところで
会えるとは夢にも思ってなかったでしょう。
それこそ、そんな所で大告白しても仕方が無いので
お爺ちゃんに真実は告げなかったものの
母はだいぶ満足したみたいです。
そういうわけで私も実の祖父には一度も会ったことがないんですよね。
あれから数年経ちますが、お爺ちゃんまだ元気にやってるかな〜。
ながーくながーーく思い続けてると
いつか叶う日が来るものなんだな、と
母の身をもって実感しました。
皆さんの願いもいつか叶いますように。